山梨のアスベスト(石綿)補助金制度


 アスベストは鉄骨造り、RC造り、3階建て以上の耐火建築物を中心に施工されてきました。アスベストの管理や除去は建築物の管理者や労働者の雇用者に安全管理の責任が求められています。アスベストが施工された可能性のある建築物は非常に多くあり、建物管理者自主的に把握することを助けるため、補助金制度が国土交通省により実施されています。


アスベスト補助金対応調査写真

アスベスト飛散防止対策補助金と建築物石綿含有建材調査者

 平成28年4月よりアスベストの調査及び除去の補助金支給条件に「建築物石綿含有建材調査者」による関与が必要となりました。吹付け石綿はロックウール吹付け材など目視で施工の判断が容易なものもありますが、バーミキュライトやパーライト、隠蔽部に施工された吹付けアスベストは専門家による判断が必要になります。

 また、天井吹付けや柱・梁など同一建材に見えるような建材でも使用されているアスベストの種類が異なることもあります。補助金支給に専門家である建築物石綿含有建材調査者による判断と、適切なアスベスト採取が重要です。

 病院、福祉施設、農業関連施設、学校など官公庁からの調査通知への対応時、避難路確保ための道路沿いの耐震診断時の利用など幅広く活用されています。

各自治体により支給要件が異なりますので、活用前に一度ご相談ください。

アスベスト補助金制度の延長

 アスベスト補助金は、平成29年度に財務省の指摘により終了する予定でした。アスベスト補助金の利用が増加してきたため、平成30年に2年間限定で急きょ補助金制度が延長となりました。今後更に延長するかどうかは未定となっています。年間で使用できる予算がありますので、気になる方はお早めにご利用下さい。

アスベスト補助金制度利用のメリット 100%補助

 アスベスト調査(アスベスト分析費含む)に対しては25万円まで100%、除去に対しては400万まで2/3まで補助される制度となっています。通常どのような補助金でも100%補助される制度はほとんどありません。支給についても必要書類を整え提出するだけでできる制度になっています。


アスベスト補助金使用時の注意点

  • 補助金支給決定前の調査及び分析は補助対象外となります。決定通知を確認後アスベスト調査及びアスベスト分析をご依頼下さい。
  • 補助金申請の際にアスベスト調査及びアスベスト分析の見積書が必要になります。図面からアスベスト建材の検体数を決定することになります。調査時にアスベスト分析検体が増減することがありますが、補助金の金額を修正することもできます。
  • アスベスト分析の採取場所決定、検体数決定は「建築物石綿含有建材調査者」をご利用下さい。アスベスト建材をどこまで同一性があるか判断するには、知識と経験が必要となります。
  • 補助金は吹付石綿、ロックウール吹付材、バーミキュライト吹付、パーライト吹付が対象となります。自治体によってはバーミキュライト吹付、パーライト吹付が対象外となることがありますので確認が必要になります。
  • アスベストの採取は必ず建築物石綿含有建材調査者が実施する必要があります。アスベスト分析において分析結果が間違ってしまう原因の一つに、採取ミスが多くあります。
  • 過去にアスベスト分析を実施した場合でも、アスベスト問題が起きた時期からアスベスト対象物質が3物質から6物質へ増えています。規制基準も1%から0.1%へ強化されるなどアスベストを取り巻く環境は年々変化しているため再分析が必要な場合があります。

補助申請時に必要な書類

補助金の申請には一般的に以下の書類が必要になります。

  • 申請書
  • 位置図(建築物の敷地の位置がわかるもの)
  • 配置図(対象建築物の位置がわかるもの)
  • 平面図(調査事業又は除去事業を行う場所がわかるもの)
  • 現況写真(建築物外観、調査事業を行う場所、吹付けアスベストの状況が判断できるもの)
  • 調査仕様、工事仕様がわかる書類及び見積書
  • 納税証明書
  • 法人の場合は法人登記簿謄本
  • 区分所有者の団体又は管理者の場合は、組合規約及び申請に係る議事録

以上になります。現在は自治体によってアスベスト分析だけでなく現地調査まで補助対象に含まれるようになってきています。

申請の際の様式等は甲府市のHPに公開されていますので、こちらを参考にしてください。他の市町村であっても基本的な様式に変わりはありません。


山梨県内のアスベスト補助金制度のある自治体

 下記の表は山梨県内におけるアスベスト補助金制度の相談窓口になります。山梨県は他の県と比較してアスベスト補助金制度が充実している県になります。補助金の延長期限も2年間限定になりますので、当社もしくは市町村の相談窓口までご相談ください。

山梨県内のアスベスト補助金制度一覧表

市町村名 対象事業 補助限度額 担当課
甲府市 調査 25万/敷地 建築指導課
除去等 400万/敷地
富士吉田市 調査 15万敷地 都市産業部建築住宅課
除去等 400万/敷地
都留市 調査 25万/敷地 基盤整備課
除去等 400万/敷地
山梨市 調査 25万/敷地 建設課
除去等 400万/敷地
韮崎市 調査 25万/敷地 建設課
除去等 400万/敷地
南アルプス市 調査 25万/敷地 建設部建築住宅課
除去等 400万/敷地
北杜市 調査 25万/敷地 建設部建築住宅課
除去等 400万/敷地
甲斐市 調査 25万/敷地 都市建設部建設課
除去等 400万/敷地
笛吹市 調査 25万/敷地 建設部まちづくり整備課
除去等 300万/敷地
上野原市 調査 25万/敷地 都市計画課
甲州市 調査 25万/敷地 建設課
除去等 400万/敷地
中央市 調査 25万/敷地 建設部建設課
除去等 400万/敷地
市川三郷町 調査 25万/敷地 建設課 都市計画係
除去等 400万/敷地
富士川町 調査 25万/敷地 建設課
除去等 200万/敷地
身延町 調査 25万/敷地 建設課
除去等 200万/敷地
昭和町 調査 25万/敷地 都市整備課
除去等 400万/敷地
西桂町 調査 25万/敷地 建設水道課
大月市 調査 25万/敷地 建設課
富士河口湖町 調査 25万/敷地 都市整備課
除去等 300万/敷地