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建材採取箇所の判断者・指示者の重要性

外壁の施工が異なる事例
外壁の施工が異なる事例

 県所有施設の解体前のアスベスト分析調査を行なった際に、仕様書で指定された箇所に複数の異なる建材が施工されており、追加で建材採取を行なった事例があります。

 発注者側で事前に分析箇所を確認した際に、壁の表面施工だけだを判断し、建材が同じように見えたため同一建材と判断し1検体として発注した。当社が採取当日に壁材の確認した所、3種類の建材が施工されているのを確認し、追加で建材の採取を行なった。3件体のうち2検体でアスベスト含有という結果になった。

 2つ目が、外壁に建築用仕上塗材のリシン吹付けが全面に施工されていたため(右記写真)、外壁塗装として1検体の発注であった。当社が採取当日に確認した所、外壁下地が腰壁下部がコンクリート、腰壁上部がレベル3の外壁材にリシン吹付け仕上げの施工であった。また、外壁の窓枠部分で木製窓枠が使われている部分には他とは異なるレベル3の外壁材が施工されていた。分析結果は、外壁塗装のリシン吹付けはアスベスト不含有であったが、レベル3の外壁材はアスベスト含有という結果であった。

 アスベストの解体前の事前調査では、「書類調査及び現地調査」、「試料採取」、「分析」において一連の過程で携わる者の間における責任分担を明確にする必要があります。上記の事例では、「書類調査及び現地調査」の段階で同一と考えられる建材範囲の見逃しや設計図書等の情報と現地に施工されている建材の施工に差異があることの認識不足、表面の外観だけでの判断などによって起きた事例です。また、建物解体時には、内装や下地の内側を確認するといった網羅的な把握も必要となります。

 厚生労働省の「石綿飛散漏洩対策徹底マニュアル」やアスベストに関わる技術の指針には、事前調査・採取・分析の資格者、一連の過程においての責任分担の明確化、適切な情報伝達が求められ、調査報告書への明記も求められています。

 当社では、建築物の解体前のアスベスト事前調査の「書類調査及び現地調査」、「試料採取」、「分析」といった一連の過程で、知識と経験がある有資格者が責任を持って調査させて頂きます。

 

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