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外壁以外にも天井材に建築用仕上塗材の施工

成形板への建築用仕上塗材の施工

 外壁の建築用仕上塗材(リシン吹付け・吹付けスタッコ・吹付けタイル)の施工以外にも、天井材(成形板)にリシン吹付け等が施工されているケースもあります。

JIS A 1481-1の定性分析においては、それぞれの層ごとに分析を行ってアスベストの有無を評価します。


 上記の2試料の建材は、成形板(レベル3建材)の表面に建築用仕上塗材が施工されています。成形板本体にアスベストが含有している事も多く、仕上塗材自体も評価が必要なため精密な分析が必要になります。また、試料採取時においても、天井材(成形板:レベル3建材)に仕上塗材(レベル1建材)が施工されて場合には、防じん服や防じんマスク、保護メガネを着用し試料採取を行う必要があります。

建築用仕上塗材について

 建築用仕上塗材は施工の特性上、基本的には複数層で構成されています。当社での試料採取は、石綿除去の技術上の指針に対応した採取技術者が技術と資格をもち、現地での確認をしてから適切な採取場所の選定、安全な採取方法にてアスベストを採取します。過去の仕上塗材に重ねて新たな仕上塗材を施工することも多く、採取場所の選定を適切に行うと建物全体の外壁アスベストを評価することも可能なケースもあります。実際に当社で確認した事例で、コンクリート下地+下地調整材+主材+上塗材+下地調整材+主材+上塗材と6層で構成されて建材もあります。

 外壁の試料採取時には、サンプリングポイントの選定が重要になります。遠目からでは同じ仕上塗材の施工に見えても、仕上げの状態が異なることも多くあります。また、建物の一部改修工事で外壁を含めた工事を行い、その際に建物全体の外壁の塗り直しを行った場合には、古い外壁塗材が隠れてしまうケースもあります。

仕上塗材のアスベスト調査時は、建物外壁工事履歴の確認や建物に施工されている仕上塗材から建材の同一性の合理的な判断とその根拠となる資料の保存が求められます。

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