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大阪北部地震 公共施設でアスベスト露出

 6月18日に起きた大阪北部地震で被災した寝屋川市の総合センター内で天井材の破損によるアスベストの露出によって移転することが、地震から3ヶ月後となる9月18日に明らかになった。

 寝屋川市総合センターは地震直後の天井材の破損によるアスベストの露出により、総合センター内の中央公民館と中央図書館を休館した。

 寝屋川市は、総合センターの破損した天井の飛散防止措置、立入り禁止の実施、アスベスト気中濃度測定の実施、総合センターのアスベスト含有調査などいった対策や調査を進めてきた。

 7月に市は「公共施設の在り方特別調査委員会」の設置し、検討を行った結果、総合センターの機能を移転することを決めた。

 同府箕面市の府立箕面東高校においても、渡り廊下や視聴覚室の天井材が損傷し吹付けアスベストが露出していた。同府の教育委員会は、天井にシート覆い吹付けアスベストを覆う工事(囲い込み)を進める方針だ。今回、除去をしない理由としては、除去工事ですべてを取り除けない可能性あり、長期間の工事が必要となるため、関係者に不便を強いると説明した。

公共施設の在り方~避難所として使用される可能性が高い~

 今回の総合センターでは、4階部分の天井材の破損によるアスベストの露出、2階の講堂の吹付けアスベストについては27年前に薬剤による固化(封じ込め)を実施していたがアスベストが露出した。2階の講堂の封じ込め対策を行った吹き付け材ついて、地震直後に調査した時には劣化が進んでおり崩れて飛散する可能性があった。

 吹付けアスベストの対策工事には、除去、封じ込め(薬剤による吹付けアスベストの固化)、囲い込み(吹付けアスベストを天井材を覆う)がある。アスベスト対策工事の工事期間と費用面においては、除去が一番工事期間と費用が掛かるため、比較的工事期間と費用が抑えられる封じ込めや囲い込みによってアスベスト対策工事をするケースも多い。

 今回のケースでは、封じ込めや囲い込みによるアスベスト対策では地震の揺れによって建物が損傷すると、アスベストが露出するリスクがあるが明らかになった。公共施設においては、災害時には避難所して使用される可能性が高いので、アスベスト対策としては除去工事を行うことが望まれます。

 府立箕面東高校においても、災害時の避難場所して学校は使用される可能性が高いので、大阪府教育委員会が進めるアスベスト対策工事の囲い込みではアスベストはそこに残ったままになり、同様な地震が起きた際には今回と同様なことが起こる可能性がある。アスベスト対策工事の囲い込みや封じ込めは一時的なものであり、公共施設と利用される可能性が高い施設についても、早い段階に除去工事を進めることが望まれます。

寝屋川市総合センターのアスベスト対策についてはこちら