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空き家問題とアスベスト

 空き家の問題は全国的にも問題になってきています。当社の営業エリアを見てみますと

営業エリア 空き家率
山梨県 17.2%
長野県 14.6%

群馬県

14.7%

埼玉県

10.6%

神奈川県

10.6%

東京都

10.9%

栃木県

14.6%

茨城県

13.9%

千葉県

11.9%

静岡県

13.7%

統計局 平成25年住宅・土地統計調査より

本社所在地の山梨県をトップに、長野県・群馬県・栃木県が上位に並びます。空き家の問題は建物の老朽化や倒壊の危険性、防犯や植栽の手入れなどの問題が生じます。実際に私自身も山梨県甲斐市の環境審議会の委員をする中で、環境関係のの住民苦情のほとんどが野焼きと雑草になります。

空き家・一般住宅で使用されているアスベスト

 空き家とアスベストの結びつきはなかなかイメージできないかもしれませんが、一般住宅の中にもアスベストが使用されているケースがあります。アスベストがあることで、解体費用が想定以上のかかる場合があります。

建築材料のアスベスト(レベル3)

 一般住宅で使用されているアスベストは主に以下の材料が使用されています。

  • 屋根材:スレート瓦など
  • 外壁:サイディングなど
  • 内装:ボードやクロス
  • 床:塩ビシートなど

いずれの材料も通常使用時には飛散する可能性は少ないですが、屋根材は解体時や塗装時にコスト高になるケースもあります。ほとんどの場合は分析は実施せず、みなしアスベスト建材として、湿潤化・てばらしで除去し、石綿含有廃棄物として廃棄をすることになります。

アスベストが使用された家庭用品

 かつては家電製品や調理器具などにもアスベストは使用されていました、現在では小型家電リサイクル法や家電リサイクル法で回収されています。ただしお住まいの自治体によって取り扱いが異なりますので、自体の環境部局へご相談下さい。家電以外にも対象物はありますので経済産業省の製品安全サイトでの確認が必要です。

経済産業省 製品安全ガイド http://www.meti.go.jp/product_safety/policy/asubesutoindex.html

外壁や内壁のアスベスト

 平成30年1月29日に厚生労働省より「石綿含有建築用仕上塗材の石綿則等の適用について」文書がでています。内容としては吹付け工法で施工された仕上塗材、は石綿障害予防規則の吹き付けられた石綿となるため届出が必要になります。

 この建築用仕上塗材は主に

  • リシン吹付け
  • 吹付けスタッコ
  • 吹付けタイル
  • 和室のじゅらく・京壁

など一般住宅でも多く使用されています。

これら材料が石綿含有になると、アスベスト除去費用がかかり通常の解体はできず費用が非常にかかります。場合によっては個人では解体できないようなことも想定されます。

空き家とアスベストで一番問題となるので、外壁の仕上塗材にアスベストが含有していた場合になります。外壁のアスベスト除去費用が高額になることが多くなります。解体せず放置したとしても建物に倒壊等の危険があるとされれば、行政代執行で解体され費用が請求される可能性があります。