· 

土壌のアスベスト片の調査対応

土壌中のアスベスト片

 アスベスト事前調査は、主に建築物内の建材が調査の中心となります。建物内部以外にも注意しなければならないのが、庭や駐車場などに埋設されているアスベスト含有のボードになります。上記のボード白い板は庭の土中に埋められているのを発見しました。

再生砕石アスベスト片問題

 元々2010年頃に建設リサイクル法によって再生された再生砕石に、スレート片などが混入していたことが社会問題になったことがあります。原因はアスベストの事前調査からレベル3建材であるスレートなどのボードが見逃され、そのまま再生業者に搬入してしまったことにあります。再生砕石は駐車場などに多く使用されました。

 対策としてアスベスト事前調査をし分別解体の徹底、産業廃棄物運搬及び処理業に対して石綿含有の建材の受け入れ拒否の徹底の通知が環境省・国土交通省・厚生労働省より通知されました。

 私達は建築物のアスベスト調査の際に、必ず周辺土壌の状況を確認するようにしています。下の写真は古い団地の土部分に、アスベスト含有の可能性があるボード片が確認できた写真です。建物の建築年は昭和40年代で建設リサイクル法施行の平成12年より古い年になります。混入原因は不明ですが、土壌や砂利がある中でアスベスト分別回収に費用がかかることと、歩く場所や車が走る場所ではアスベスト片から繊維が飛散する可能性があることから当社では、確認の重要度を高く設定しています。

アスベスト調査時の注意点

 土壌に散乱しているアスベスト片を見ていると、必ずしも同じ種類のスレートやボードが落ちれいるわけではありません。様々な種類の建材があると、アスベスト分析によって全てを確認することは費用面や労力から難しいと考えています。アスベスト建材の判断ができる調査員と、分析によってアスベスト繊維を同定している分析員両方の知識が必要になります。

 最近の裁判例で、土地取引時の土壌アスベストについて瑕疵を認めた結果が出ています。建築物石綿含有建材調査者も経験のある者、知識の習得に意欲がないと最新の調査に対応できないようになってきています。

不動産取引時のアスベストについてはこちらを